PROJECT企業風土醸成ワーキング

OUTLINE

SuMiTS&Sでは2015年より、「企業風土醸成ワーキンググループ」という制度が立ち上がりました。この制度の目的は、その名の通り「企業風土の醸成」。会社合併を通じてより大規模化した当社が、さらなる成長に向けて飛躍するために必要となる中長期的な理念やルールを、社員自らが考案し、経営層に提言するという仕組みです。ワーキンググループに参加した社員は全部で約40人。テーマによって1チーム6~7名の「分科会」に分かれ、それぞれの分科会の中で討論が行われます。今回紹介するのは、当社の中長期的な「ビジョン」を提案する「ビジョン分科会」。彼らがどのような想いでこの仕事に取り組み、どのような成果を残したのか、座談会で振り返ってもらいました。

PROJECT MEMBERS

step01

部署や年次を超えた
メンバーが集い、
自由にアイデアを
言い合える場所

M.K

私たちが参加した「ビジョン分科会」は、ここにいる3人を含めた合計7人で構成されていました。私はその中で議長のような役割を担当していたのですが、集まったメンバーを見てまず印象的だったのは、年齢も部署も見事にバラバラで、普段顔を合わす機会がない人がほとんどだったこと。携わっている仕事も開発、基盤、運用、経営管理とそれぞれ異なっていました。その点では、「当社の縮図」ともいうべき7人で、異なる立場の人が集まり意見を交換できる機会は非常に貴重だったと思います。最年少のSさんはどう感じましたか?

S. M

議長を中心に、全員が自由に意見を言いやすい雰囲気を作ってもらえたおかげで、私のような若手も本音で発言することができたと思います。私はもともと、この会社には他社に誇れるようなスキルと個性を持つ社員がたくさんいると感じていたのですが、「これまで以上に社員全員が同じ方向を向き、みんなが力を合わせればもっと面白い会社になるはずだ」と思っていました。なので「会社が今後どういう方向に進むのか」という指針を定めるビジョン分科会に参加できたことはとてもうれしかったです。

S.J

私も同感です。同じユーザーのためにシステム開発をしているSE同士でも、部署が違うとなかなか話す機会がない。そういう人たちが一堂に会し、部署や立場によって違う意見を聞くことができたのは新鮮でしたね。

M.K

二人が言う通り、意見交換はとても活発だったし、みんなが本音で討論できたのは価値があったと思います。ただ、議長の立場としてはそれをまとめるのはなかなか大変でしたが(笑)。

S.M

最初は特に手探り状態という感じで大変でしたね。このビジョン分科会の最終目標は、会社と社員が目指すべき中長期的なあるべき姿、つまり「ビジョン」を考え、短くて覚えやすいキャッチフレーズに落とし込むことでした。そこで会議では、各自がいいと思うキャッチフレーズをどんどん発表していったのですが、「経営管理サイドには響くけど、現場のSEには響かない」「開発SEと基盤SEで別々の意見を持っている」など、なかなか全員が賛成するビジョンにたどり着くことができませんでした。

step02

「全社員共通の課題」
を考えることで、
見えてきたビジョン

S.J

最初の4か月ぐらいは、そんな風に会議が平行線になっていましたね。そこで少し考え方を改めて、「今、全社員にとって共通の課題といえることは何だろう」「ありたい姿から逆算して、何が足りないかを考えよう」という視点からアイデアを出し合うことにしたわけです。それがわかれば、年代や部門を超えて「全員に響くビジョン」が作れるのではないか、と。

S.M

その結果、部署ごとに抱えている問題は違うけれど、よく見ると共通点があることがわかってきました。それは「日々の業務を通じて、一人ひとりが蓄えている豊富な技術や知識を、組織として活動を支援したり、部門を超えて共有したりする仕組みがより一層必要である」ということでした。

S.J

当社では、異なる立場で同じ業務に取り組む機会が多くありますが、気付かないうちに組織や立場に縛られて、他部署の人と話す際にもつい自分の目線だけで話をしてしまうことがあります。そうしたとき、みんなが「今よりも一つ上の目線に立ってコミュニケーションできれば、もっと仕事がうまく進むのに」という意見は、メンバー全員に共通するものでしたね。

M.K

この共通の課題が見えてからは、ビジョンを示すキャッチフレーズを決めるのにそれほど苦労はしませんでした。結果、生まれたのが「目線を高く、広く、先へ」というもの。目の前の仕事だけ見るのではなく、部署や立場の壁を越えた「高く広い視点」に立ち、会社の未来を共に切り拓いていく。そんな想いを端的に表現する、いいキャッチフレーズになったと思います。

step03

「会社を変えたい」
という思いを、かたちに
することができた

M.K

ビジョン分科会が1年かけて作り上げた中長期的な企業ビジョンと、この「目線を高く、広く、先へ」というキャッチフレーズは、経営陣へのプレゼンテーションを通して正式に採用され、現在ではコーポレートサイトの「社長挨拶」にも明記されるなど、当社の対外的なアピールにも役立っています。改めてこのワーキンググループに参加してみて、お二人はどのように感じますか?

S.J

自分たちが「会社をこうしていきたい」という気持ちを、会社がしっかり受け止めてくれたことに、強い手ごたえを感じました。「これからもこの会社で働いていける。より良い会社を、そして自分自身の充実した生活を実現していこう。」という自信のようなものが、ビジョン分科会の活動を通じて身についたと思います。社員のモチベーションアップにとっても非常に有効な施策なので、これからもぜひ企業風土醸成ワーキンググループ制度は継続してほしいですね。

S.M

私たちの作ったビジョンが少しずつ社内でも浸透し、社員同士の会話の中でも「目線を高く、広く、先へ」というキーワードが度々使われるようになったことはとても嬉しいですね。自分たちが育てた子どもが、立派に成長してくれたような思いです。私は当時入社4年目という若手だったにもかかわらず、会社を変えるための提案の機会を与えてもらいました。そのことにとても感謝していますし、この会社の一員として、今後も積極的にこのような活動に取り組んでいきたいと思います。

M.K

私もこの分科会に参加して、「会社は社員が作るもの」という事実を改めて意識するようになりました。数百名規模の企業ではなかなかそういう意識を全員で共有するのは難しいものですが、それができればこの会社はもっともっと元気になる。そう確信しています。